夜 に 首 輪 し て


良いですか、それはしずかに進行しています。音もたてず、影のように背後にあらわれます。そっと両手ひろげたらたちまちマントの中。星が出れば夜の街をうろうろ歩き、ただただしあわせそうに微笑んでる。「リゲルは白昼にだって光るのにね。ほとんどだれもきづかないのだね」。なまえのないぬくもりが欲しい。なまえを呼んで欲しくなんかない。だれにだって無抵抗にその身をあずけられるほど自棄な状態がベスト。甘ったれた手つきで頸動脈らへん愛撫して。ううん、引っ掻くように。「おまえはたしかに狂ってるんだ。だからかわいい」。濃紺の瞳もつ青年にそんなふうに言わせれば、ほぼ完璧だと言っていいでしょう、ええ、パーフェクトです。今日も月は綺麗、淡い君の面影すこしずつ消してく。遠いカペラ睨み夜に首輪して歩く。幼稚な我儘。歪な求愛。ぼくは汚い。

031103