手 紙


意味がないなんて云わないでください。呪いのからまった体でも、どうかぼくのために生きてください。意味のないまま、死にもせず。

寂しい窓辺に花を飾ってくれたあなたの白く小さな爪を見ていたら、どうしてだか甘えたくなりました。病み上がりの子どものように加減も知らず。学生の頃屋上で、空と自分との間に越えられない一筋のあることをいとも容易く忘れられたように。秋の風が吹くせいです。あなたが微笑めばきっと自分が回復していくような、悪くない思い違いに陶酔していくのです。

それでもこの渇きにふさわしい名は見あたりません。先生もさんざん苦労しています。 ぼくはと云うと近ごろはただただ肉片に憧れるのです。あなたの子宮を形成しうるような、かけがえのない肉片に生まれ変わりたいのです。 聖なる子宮よ、そうしてまたぼくを孕みなさい。メスではなくナイフではなくあなたの与える痛みが知りたいのです。あと一度、あなたの痛みに泣きたいのです。

050927